七福神は各々の特徴に応じて、象徴的な持ち物や道具とともに描かれることが多いです。
これらのアイテムの起源や意味をご紹介します。
恵比寿
日本起源の神様である恵比寿は、七福神の中でも独特の存在です。常に笑顔を絶やさない「恵比寿顔」が特徴的です。漁業の守り神として知られ、農業の神である大黒天と一緒に祀られることも多く、親しまれています。恵比寿と大黒天は、それぞれ「事代主命」と「大国主命」と呼ばれ、親子関係にあるとされる説もあります。
恵比寿が持つ釣竿は、孔子の「君子は釣りをして網を使わない」という言葉から、利己的でない純粋な心を象徴すると言われています。また、鯛は漁業の神としての役割と縁起の良さを兼ね備え、持つ者に利益をもたらすとされています。
恩恵
- 商売繁盛
- 大漁豊作
- 航海安全
持ち物・道具
- 右手に釣竿
- 左手に鯛
大黒天
本来は農業の神とされる大黒天ですが、漁業の神である恵比寿と共に祀られることも多いです。頭巾は謙虚さを象徴し、「見上げない」という姿勢を表しています。二つの米俵は、「2俵で満足する」という節制を象徴しています。打ち出の小槌は、「槌」=「土」を意味し、大地の役割と、様々なものを生み出す力を象徴しています。
恩恵
- 金運・財運向上
- 商売繁盛
- 立身出世
- 五穀豊穣
持ち物・道具
頭巾を被り、右手に打ち出の小槌、左手に袋を持つ。
二つの米俵の上に立つか座る。
毘沙門天(びしゃもんてん)
唐風の鎧を纏い、武装した勇ましい姿の戦いの神、毘沙門天は、見た目は恐ろしいものの、実は多くの夜叉や羅刹を率いて仏法を守る善良な神様です。彼が持つ宝棒は邪悪な力を払い、宝塔に収められた仏舎利で福を授けると言われています。仏舎利は、釈迦の遺骨のことを指します。毘沙門天の姿や持ち物は像によって異なり、宝棒と宝塔の位置が逆だったり、武器を持たない形もあります。
ご利益
- 財運福徳
- 厄除け
- 勝負運
- 家内安全
- 立身出世
持ち物・道具
甲冑を着用し、右手に宝棒、左手に仏舎利が入った宝塔
弁財天(べんざいてん)
七福神の中で唯一の女性神、弁財天は、ヒンドゥー教のサラスバティ、すなわち古代インドの川の女神から来ており、日本では水の神として崇められています。川のせせらぎのように美しい音楽を奏でる琵琶を持ち、芸術の保護者とされています。また、白蛇を頭に乗せることもあり、これは神仏習合の一形態とされ、水の使いとしての蛇と共に描かれることが多いです。
ご利益
- 技能上達(芸事・芸術)
- 学業成就
- 美人祈願
- 縁結び・恋愛成就
持ち物・道具
琵琶と頭の上の白蛇
福禄寿(ふくろくじゅ)
長い頭が特徴の福禄寿は、杖に経巻を吊るし、鶴を連れる姿でよく描かれます。時折、宝珠を手にすることもあります。鶴は長寿の象徴で、長い頭は知恵と謙虚さを示します。名前自体が祝福を意味すると言われ、寿老人と見間違えられることもあるため、持ち物での識別が推奨されています。
ご利益
- 長寿健康
- 子孫繁栄
- 家族安泰
- 招徳人望
- 財運・金運上昇
持ち物・道具
- 杖
- 経巻
- 鶴
寿老人
白い長髭をたなびかせ、杖に経巻を添える寿老人は、福禄寿と似た姿ですが、細部に違いがあります。彼はうちわを持ち、鹿、桃、瓢箪と共に描かれることが一般的です。
うちわは災難を払う象徴とされ、桃は長寿のシンボルです。連れている鹿は平和と自然との調和を象徴し、瓢箪には不老不死の薬が入っているとされています。
ご利益
- 長寿と健康
- 病気平癒
- 家庭の幸福
持ち物・道具
杖、経巻、うちわ、鹿、桃、瓢箪
布袋尊
いつも笑顔で、丸々としたお腹が特徴の布袋尊は、幸せを体現する男性神です。彼の大きな袋は幸福が詰まっており、それを人々に分け与える役目を担います。
彼が持つ軍配うちわは占いに使われたとされ、布袋尊自体がかつて実在した人物がモデルで、弥勒菩薩の化身とも言われています。日常生活で必要な物を大きな袋に入れて運んでいたことから、多くの福徳が彼に関連付けられています。
ご利益
- 家庭の円満
- 財運の向上
- 子孫の繁栄
- 病気知らず
- 笑顔に福来る
持ち物・道具
大きな袋、軍配うちわ、杖や棒
まとめ
七福神はそれぞれに独自のアイテムや象徴を持ち、これらは神々の特徴を表しており、幸運を引き寄せる意味が込められています。この記事を読んで、七福神の魅力に触れ、彼らを通じて運を開いてみることをお勧めします。