皆さんも経験されるかと思いますが、初めにお伝えした情報に不備があったり、不完全だったりして、上司や先輩といった上位の方々に何度もご連絡しなければならない状況は多々あります。
こんな時、「度々お手を煩わせて申し訳ありません」というフレーズが適切か気になる方もいるでしょう。そのような場合の言葉遣いや、敬語の使い方、メールでの適用についても詳しく解説いたします。
「度々お手を煩わせ、誠に申し訳ありません」という言い方は適切でしょうか?
「度々お手を煩わせ、誠に申し訳ありません」という表現は適していますが、更に丁寧な言葉遣いとしては以下の様にも言えます。
- お忙しいところを何度もお邪魔し、深くお詫びいたします。
- 貴重なお時間を何度も割いてしまい、心よりお詫び申し上げます。
相手への配慮を示す表現 「お忙しいところ」や「お手数をおかけし」といった、相手への配慮を表す表現を加えることで、更に敬意を表することができます。
「お伺いする」という言葉もそのままで問題ありませんが、「お伺いいたします」といった表現が更に敬意を示します。「申し訳ありません」は「すみません」よりも丁寧な表現ですから、可能であれば「申し訳ありません」を使用するのが適切です。
謝罪のタイミングと文章量について
何度もご連絡する際の謝罪は、すぐに、そして文章の最初で伝えるべきです。
繰り返しの連絡が生じるのは好ましくないかもしれませんが、重要な案件であればなおさら、相手に対して速やかに正確な情報を伝えることが必要です。
連絡する行為に罪悪感を覚える必要はありません。しかし、謝罪が長すぎると相手にとっては余計な負担になる可能性があります。だから謝罪は簡潔に一文程度に止め、最も重要な本題の伝達に移ることが大切です。
【文例】
再度お時間をいただき、申し訳ありません。
以前お伝えした内容に一部誤りがあり、改めて正確な情報をご提供するためご連絡いたしました。 (・・・続き、伝えるべき内容・・・)
敬語の「ご連絡」という使い方は?
敬語というと、どのように使うべきかしばしば悩むものですが、「ご連絡」という表現は、自分の行為に「ご」を加えることで疑問に感じることがあります。
しかし、正しい敬語の使い方においては、「ご」を加えることが適切です。
敬語には丁寧語、尊敬語、謙譲語の3種類があり、「ご連絡」は謙譲語としての正しい使い方です。
謙譲語について
謙譲語は、自分や自分の所属する団体を控えめに述べ、相手へ敬意を表す際に使います。謙譲語は、次のように使うことができます。
自分の地位を低く表現する:「粗品」「弊社」「私ども」など
行為に「お」や「ご」を前置する:「お待ち申し上げる」「ご説明申し上げる」など
行為を「~していただく」で表す:「進呈させていただく」など
謙譲的な動詞で行為を示す:「申し上げる」「伺う」「承る」など
複数回のご連絡に関するフォーマルな表現と敬語の使い方
仕事上でのメール交換では、何度もやりとりを行う必要が出てくる時があります。
最初のメールでよく使われる「何度もご連絡をし、申し訳ない」というフレーズですが、メールの特性を考えると、場合によっては以下のような表現も適しています。
- 何回もメールでお手数をおかけして恐れ入ります
- 繰り返しのメールでご迷惑をおかけし、申し訳ございません
- 複数回のメールを送信し、ご面倒をおかけしておりますのでお許しください
これらの言い回しは、十分な敬意を表しつつも、メールにおいてはやや柔らかい敬語の使用が許されることがあるため、相手との関係に合わせて表現を調節することは良い選択です。 その他の表現としては、以下のような言葉もございます。
断続的なメールにてご負担をおかけすることをお詫びいたします
「五月雨式」という言葉は、断続的、あるいは継続的に繰り返されがちな状況を表す際に使われることがあり、執拗ではないけれども規則的な連絡を意味するのに適しています。
メールでの適切な謝罪のタイミングと内容
メールでのコミュニケーションにおいても、率直なやり取りが望まれます。連絡内容に間違いがあった場合は、先にその点を伝え、それから詳細を述べることが重要です。
【文例】
再びのメールとなり、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
以前お送りしたメールに間違いがありましたので、こちらで正しい情報をお知らせします。 (・・・以降、詳細情報・・・)
簡潔なお詫びの後に、伝えるべき重要な情報をしっかりと明記することが大切です。
まとめ
何度もの連絡が必要になることは気がかりかもしれませんが、そのために連絡自体が不適切である訳ではありません。
大事なのは、必要な情報を迅速に修正し、適切に提供することです。そして、繰り返しのご連絡に対するお詫びは必要ですが、内容の伝達を最優先しましょう。
この記事で示したいくつかの表現を、実際のやり取りでお役立ていただければと思います。ビジネスシーンに応じた適切な表現を選んでご使用ください。