甘いあんこともちの絶妙な組み合わせ、おしることぜんざい。この味わいに魅了されつつも、食べ過ぎは体重の問題につながるので、控えめに楽しむことにしています。
一見似ているおしることぜんざいですが、実は名前の違いだけでなく、他にも独自の特徴があることが分かりました。特に驚くべきは、関東と関西でのこれらの定義の違いです。
この記事では、次の3つのポイントに注目して解説します。
おしることぜんざいの基本的な違い
関東と関西におけるおしることぜんざいの定義の違い
他の地域に見られるおしることぜんざいの多様性
ぜんざいとおしるこの違いとは?
ぜんざいとおしるこは、基本的には甘く煮たあんこともちを合わせた和のスイーツです。多くの人が持つぜんざいとおしるこの一般的なイメージと大きくは変わりません。
しかし、「ぜんざいとおしるこって、実は同じものではないの?」と疑問に思うかもしれません。実際には、これらは異なる種類のスイーツなのです。
特に、関西と関東ではぜんざいとおしるこの捉え方が大きく異なります。以下で、関西と関東におけるぜんざいとおしるこの違いを詳しく説明していきます。
関西と関東で異なる、おしることぜんざいの意味合い
おしることぜんざいは、関西と関東でまったく異なる意味を持っています。この違いが原因で、関西出身の方が東京でぜんざいを注文すると、思わぬ誤解に遭遇することがあるのです。
この地域ごとの違いを知っていると、注文する際に混乱を避けることができます。ここでは、関西と関東におけるおしることぜんざいの定義を詳しく説明します。
関西でのおしることぜんざい
おしるこ: こしあんを使用した甘い汁にお餅を入れたもの
ぜんざい: 粒あんを使用した甘い汁にお餅を入れたもの
関西では、この違いは「あんこがこしあんかつぶあんか」という点にあります。一般的に丸餅が用いられます。例えば、大阪難波の「夫婦善哉」では、粒あんのぜんざいが人気です。ここでは、あんこの種類によっておしることぜんざいを選ぶのが普通です。
関東でのおしることぜんざい
おしるこ: あんこの甘い汁にお餅を入れたもの
ぜんざい: 汁気のないお餅にあんこをのせたもの
関東では、主な違いは「汁気の有無」です。汁気のあるものはすべておしることされ、その中でもこしあんを使うものを御膳汁粉(ごぜんしるこ)、粒あんを使うものを田舎汁粉(いなかしるこ)や小倉汁粉(おぐらしるこ)と区別します。こちらでは角餅が一般的です。また、関東で一般的な「汁気のないお餅にあんこをのせたもの」はぜんざいと呼ばれ、これは関西では珍しい形態です。関東のぜんざいは、関西では「亀山」や「金時」としても楽しめます。
全国各地で異なるおしることぜんざいの特徴
おしることぜんざいは、関西と関東だけでなく、日本全国で様々なバリエーションがあります。ここでは、各地のユニークな特色をご紹介します。
九州のおしることぜんざい
九州でも、こしあんのおしること粒あんのぜんざいの分類は関西と同じです。しかし、九州の一部地域では、お餅が入ったものをおしるこ、白玉団子が入ったものをぜんざいとして区別しています。お餅と白玉団子は、もち米と白玉粉から作られるため、全く異なる食感を持ちますが、この分類の理由ははっきりしません。
沖縄のおしることぜんざい
沖縄では、金時豆を甘く煮たものの上にかき氷と白玉団子をトッピングしたぜんざいが一般的です。店によって少し違いはありますが、金時豆とかき氷の組み合わせが沖縄のぜんざいの特徴です。沖縄の暑い気候に最適なかき氷スタイルのぜんざいは、大粒の金時豆の美味しさと相まって特に人気です。
また、沖縄には、関西や関東で言う「おしるこ」に相当する「ホットぜんざい」というものも存在します。
まとめ
おしるこは甘いあんこにお餅を入れたもので、ぜんざいは地域によってさまざまな形態を持ちます。関西ではおしるこはこしあん、ぜんざいは粒あんを使い、関東ではおしるこは汁気のあるもの、ぜんざいは汁気のないものにあんこをかけたものとされています。日本各地には、おしることぜんざいの多様な定義が存在します。
何も知らずに注文すると、「思っていたのとは違う!」という経験をする可能性があります。個人的には粒あんが好きなので、関東のぜんざいや関西の亀山を試してみたいと思います。