紙幣に小銭を変えたい時、主に考えられるのは銀行などの金融機関です。
さらに、自動精算機を使用する手段もありますが、注意すべき点が存在します。
「逆両替」とは、簡単に言えば普通の両替の逆を行うことです。普段は1000円紙幣を100円硬貨10枚に交換することが多いですが、逆両替ではこれを逆に行います。
キャッシュレスの利用が増え、現金を使うことが少なくなった今、家には使用されずに溜まった小銭がありませんか?
本記事では、そんな小銭を紙幣に変えることができる場所や、便利な方法、そして銀行で行う場合の手数料についてご紹介します。
硬貨を紙幣に変える場所とコンビニの対応
硬貨を紙幣に交換できる場所としては、まず銀行が挙げられます。一般的に金融関連の手続きは銀行で行われますが、銀行の利用には平日の営業時間内である必要があり、手数料が発生する場合もあるため、いつでも手軽に利用できるわけではありません。
24時間営業のコンビニであれば、もっと気軽に硬貨を紙幣に変換できると便利ですが、実際にはコンビニではそのようなサービスは提供されていません。コンビニでは一般的に、硬貨と紙幣の直接交換は行っていません。
コンビニでの交換が難しい主な理由は、防犯対策として偽札や窃盗のリスクを避けるため、釣銭不足を防ぐため、そして他のお客様の支払いに影響を与えないためです。
コンビニのATMも硬貨の投入口がないため、こちらでの紙幣への変換も不可能です。
しかし、セルフレジが設置されている一部のコンビニでは、硬貨を紙幣に変換することができる場合があります。セルフレジを利用した変換方法については、このあと詳しくご説明いたします。
セルフレジでの硬貨から紙幣への交換について
セルフレジを使えば、硬貨を紙幣に変えることができます。スーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストアなど、さまざまな場所でセルフレジの導入が進んでいます。
この交換方法は、購入する商品の支払いで、必要な金額以上の硬貨を入れて、余った分を紙幣やまとまった硬貨で受け取るというものです。セルフレジが広く設置されていること、長時間営業していること、追加手数料がかからないことなどから、とても便利な方法と言えます。
ただし、最近ではセルフレジに多量の硬貨を入れることが問題視されています。
問題の主な点は以下のとおりです:
- 多量の硬貨投入は、セルフレジのエラーや故障を引き起こす原因になり得ます。
- また、多量の硬貨を処理するのに時間がかかり、他のお客さんに迷惑をかけることがあります。
このため、大量の硬貨を一度にセルフレジに投入するのは避けるべきです。
法律上、硬貨の支払いは1種類につき最大20枚までと制限されており、それを超えると店側は受け取りを拒否することができます。
さらに、セルフレジは、通常のレジの待ち時間を短縮するために導入されています。そのため、セルフレジが混雑している時には、硬貨から紙幣への交換は控えた方が良いでしょう。
自動販売機で硬貨を紙幣に変えられる?
今日では、硬貨を紙幣に変換できる自動販売機を見つけるのは非常に珍しいことです。
かつては、商品を購入せずに小銭を入れて返金レバーを操作することで、大きい額の紙幣やまとまった硬貨をお釣りとして受け取る自動販売機が存在しました。
古い型式の自動販売機の場合、現在も紙幣に変換できる可能性がありますが、現代の多くの自動販売機では、そうした逆両替機能は提供されていません。このような変更は、偽造硬貨の使用を防ぐためのセキュリティ対策によるものです。
現代の自動販売機は、商品を購入しないで返金操作をすると、入れたお金がそのまま返ってくる設計になっています。
このセキュリティの向上は、偽造を防ぐ目的で、パチンコ店やゲームセンターの両替機など他の機器にも適用されています。
過去には可能だった自動販売機での逆両替も、現在は対応を停止している場所が多く、もし古い両替機が残っている場所があれば利用できるかもしれませんが、一般的には期待できない状態です。
自動販売機を使った紙幣への変換は24時間いつでも利用できて便利ですが、大量の硬貨を入れる行為が不審と見なされたり、偽造対策のために制限がかかっているため、現在では実現が難しいです。
硬貨を紙幣に変える裏技
硬貨を紙幣に変える便利な方法には、「交通系ICカードにチャージする方法」と「セルフサービスのガソリンスタンドを利用する方法」があります。
交通系ICカードにチャージする方法
- 実際の例として、1020円分の硬貨を交通系ICカードのチャージ機に入れます。
- その後、20円だけをICカードにチャージします。
- 操作を行うと、残りの1000円が紙幣で戻ってきます。
- この方法は、電車やバスにICカードをよく使う人にとって、特に便利です。
ただし、大量の硬貨を一度に使う場合は、時間がかかったり、機械が故障するリスクがあるため、気を付ける必要があります。
セルフサービスのガソリンスタンドを利用する方法
- 例えば、1500円分の硬貨をガソリンスタンドの支払い機に入れ、500円分だけ給油します。
- そうすると、残りの1000円が紙幣で返ってきます。
- この方法も硬貨を紙幣に変換できますが、給油しないで両替だけを試みると、他の利用者に迷惑をかけることになりかねないので、注意が必要です。
- 実際には、返金ボタンを押しても、投入した硬貨はそのまま返ってくるため、最低限の給油は必要になります。
どちらの方法も、多量の硬貨を使用する際は、他の利用者や機械への配慮を忘れずに行いましょう。
銀行で硬貨を紙幣に変える時の手数料
銀行で硬貨を紙幣に変換するには、大きく分けて「銀行窓口で直接行う方法」と「自分の銀行口座に硬貨を預けてから紙幣として引き出す方法」の2種類が存在します。
硬貨の枚数が多ければ多いほど、手数料がかかる可能性があります。
特に、自分の口座に硬貨を預けて後に紙幣として引き出す方法では、ATMを利用する場合、ほとんどの銀行で手数料が免除されることが多く、この手段が推奨されています。
ただし、銀行によって手数料の設定に違いがあるため、紙幣に交換する前には、その銀行の手数料体系を事前に確認することが重要です。
ここでは、大手銀行3行とゆうちょ銀行の手数料に関して詳しく解説します。
三井住友銀行の手数料について
【硬貨を紙幣に交換する際の手数料】
- 1枚から10枚の交換
- 口座を持っている人は220円
- 口座を持っていない人は330円
- 11枚から500枚の交換では770円
- 501枚から1000枚の交換では1540円
- 1001枚以上の交換では、500枚ごとに770円が追加されます
※手数料の計算は、交換する硬貨の枚数が多い方を基準にします。
【硬貨を預け入れる際の手数料】
- 300枚まで
- 窓口では無料、ATMでも無料
- 301枚から500枚
- 窓口で550円、ATMは無料
- 501枚から1000枚
- 窓口で1100円、ATMは無料
- 1001枚以上
- 窓口では500枚ごとに550円が追加、ATMは無料
三菱UFJ銀行の手数料情報
【窓口での硬貨から紙幣への交換手数料】
- 1枚から10枚
- 口座保有者は無料
- 非口座保有者は550円
- 11枚から500枚で550円
- 501枚以上は、500枚ごとに550円が加算されます
※手数料の計算基準は、交換前後の枚数のうち多い方です。
【硬貨を窓口やATMに預け入れる際の手数料】
- 100枚まで
- 窓口とATM共に無料
- 101枚から500枚
- 窓口で550円、ATMは無料
- 501枚から1000枚
- 窓口で1100円、ATMは無料
- 1001枚以上
- 窓口では1650円プラス、500枚ごとに550円追加、ATMは無料
※硬貨の枚数を確認した後で入金や支払いのキャンセルをしても、手数料がかかる場合があります。
みずほ銀行の手数料詳細
【硬貨を紙幣に交換する際の手数料】
- 1枚から10枚
- 口座保有者は無料
- 非口座保有者には550円がかかります
- 11枚から500枚までは550円
- 501枚以上の場合、1320円を基本料金として、その後は500枚ごとに660円が追加されます
※手数料の計算では、交換する硬貨の枚数が多い方が基準になります。
【硬貨の預け入れや引き出し時の手数料】
- 100枚までは、窓口でもATMでも無料です
- 101枚から500枚の場合、窓口では550円、ATMは無料
- 501枚から1000枚までは、窓口で1320円、ATMは無料
- 1001枚以上では、初期費用として1980円がかかり、その後500枚ごとに660円が窓口で加算されます。ATMは引き続き無料です。
※取引キャンセル時も、確定した枚数に基づいて手数料が発生します。