私たちはしばしば、「将来必要になるかもしれない」と考え、物を取っておくことがあります。例えば、体重が減った後に着る服などがそれにあたります。
しかし、未来の予想に基づいて物を保管しても、実際にその時が来ることは稀です。
本当にその物が必要になる瞬間が来るなら、その時は既に訪れているはずです。
この記事では、未来への期待に囚われずに保持してしまう物について説明し、これらをどう手放すかについて提案します。
＼ まだ間に合う！ ／
未来を理由に捨てられない物
未来の使用を見込んで取っておいた物が、実は未来指向の考えによるものかもしれません。
趣味の道具や材料
途中で使いかけた画材：いずれまた絵を描く機会があるかもしれません。
長らく弾いていない楽器：時間が取れたら、再び演奏を始めるかもしれません。
手芸キット：子どもが成長し手が空いたら、作るかもしれません。
未使用のギフト
高級な食器セット：特別な日に使う機会があるかもしれません。
使っていないタオルや寝具：急な来客があった場合に使用するかもしれません。
教育資料や書籍
語学学習の教材：将来本格的に英語を学ぶことがあるかもしれません。
専門書：職業を変える際に役立つかもしれません。
未読の小説：余裕ができた時に読むかもしれません。
かつて私も「将来使うかもしれない」と考え、保管していた語学教材がたくさんありました。
子供のアイテム
ベビー用品：次の子どものために使うかもしれません。
おもちゃや絵本：将来、孫に使ってもらうかもしれません。
電子機器や配線類
使っていない古いスマートフォンやタブレット：今使っているデバイスが故障したときのために保持しています。
使っていないケーブルや充電器：何かの緊急事態に備えておくかもしれません。
自宅にある使っていない物を見直し、それらが不確かな未来への期待に基づいているかどうか、再考してみてください。
今を生きる—未来への期待から解放される具体的な手段
未来への期待に縛られ、手放せないアイテムにどう対処するか、いくつかの方法があります。
1.現在の価値を考慮する
物を保持する際に「未来に使うかもしれない」という考えが頭をよぎるかもしれませんが、「今、このアイテムが自分にとってどうなのか？」と自問してみましょう。
未来よりも現在が重要です。「今」は目の前にありますが、「未来で使うかもしれない」という考えは漠然としています。
未来への期待から多くの物を溜め込むことで、現在の生活空間が狭くなるならば、それは問題があるかもしれません。
「このアイテムがなければどうなるか」「本当に必要か」と自問自答して、正直に答えを出すことが大切です。
冷静に考えると、「痩せたら着る服」を実際に着る日が来るかどうか、答えが明確になるでしょう。
2.使用期限を設ける
未来は果てしなく続くと感じるかもしれませんが、「いつか使う」と思っているアイテムを実際に使うことはほとんどありません。
片付けの専門家たちは、「いつか使う」の「いつか」は決して来ないとしばしば言います。
現実的な期限を設定し、その期間内に使わなければ手放すようにしましょう。
例えば、引っ越し後1年間使わなかった物は処分する、次の誕生日までに使わなければ手放す、などが考えられます。
期限をスマートフォンやカレンダーに記録し、定期的に確認することも助けになります。
3.段階的に手放す
同じカテゴリーの物が多くある場合、一部を試しに処分してみるのが良いでしょう。
例として、痩せた後に着ると思って保管している服が多い場合、その中から1〜2枚を選んで手放してみます。
読みたいと思っているが未読の本が多数ある場合も、いくつかを選んで手放すことができます。
すべてを一度に手放す必要はありませんので、大切なものを失う不安を減らしながら整理できます。
4.一時保管による迷いの解消
物を手放すことに迷いがあるときは、使わないアイテムを箱に入れて一時的に保管する方法が効果的です。私自身、以前に食器を整理した際、あまり使わない食器を箱に入れて別の場所に移動させた経験があります。この方法でキッチンがスッキリとし、使いやすくなりました。結局、箱に入れた食器は使用する機会がなく、後に処分しました。
このアプローチのメリットは以下の通りです：
・完全に捨てるわけではないので、心理的負担が軽減されます。
・物が少なくなることで、生活環境の快適さを実感できます。
映画『365日のシンプルライフ』では、物を倉庫に保管し、必要なときだけ取り出して使う生活スタイルが描かれています。
5.デジタル化での代替
物理的にスペースを占める紙の書籍やメディアをデジタル化することで、場所を取ることなく保管できます。すべてをデジタル化する必要はありませんが、まずは試しに数冊をデジタル形式にしてみましょう。電子書籍の購入、自分でスキャンする、あるいは重要なページだけを写真に撮るといった方法があります。これにより、どの情報が将来的に役立つかを明確にできます。
6.必要に応じた再購入の選択
将来また必要になる可能性のある衣類や家庭用品は、必要な時に再購入するという選択も考えられます。物を保持するコスト（スペースの使用や保守の手間など）を考慮すると、新たに購入する方が経済的かつ効率的な場合が多いです。
7.再購入の可能性をリアルに評価する
「再購入するコストが惜しい」という気持ちはよくあるものですが、実際に同じアイテムを再購入する機会はほとんどありません。多くの人が「将来使うかもしれない」と考えるものの、その可能性は実際には非常に低いものです。
なぜ、現実にはほとんど起こりえないことに重点を置くのでしょうか？未使用のアイテムは、多くの場合、貴重なスペースを占め、整理や保守に時間を費やすだけです。
人気のある収納テクニックは、限られた空間にアイテムを詰め込む方法を教えていますが、これには多くの時間、お金、労力が必要です。断捨離では、収納よりもアイテムを手放すことが推奨されます。
8.再利用や他人への譲渡を検討する
将来的に使うかもしれないと考えているアイテムも、その時が来るのは思ったよりも遅かったり、全く来なかったりすることがあります。そういった場合、現在そのアイテムを必要としている誰かに譲ることを考慮してみましょう。
アイテムを有効活用することで、手放す際の罪悪感を軽減できます。親しい人への譲渡やリサイクルショップへの持ち込み、時間が許せばフリマアプリでの販売も良い選択肢です。
まとめ
以前、「未来でこれがあってよかったと感じる瞬間があるから捨てられない」という意見を聞いたことがあります。確かに、保持しておいて役立ったと感じることは満足感を与えますが、それはしばしば未来の不確実な予測に基づいて現在を犠牲にする行為です。
多くの人が同じように感じているかもしれませんが、未来への期待を減らし、「今、この瞬間」に集中することで、より整理された生活空間を実現できるでしょう。