目標管理を取り入れている会社だと、事務職も目標設定を求められます。
営業職であれば、訪問件数○件!や売上○件達成!と言った具体的な数値目標を出しやすいと思います。
しかし、事務職は営業職とは違います。日々のルーティンワークを行っていたり、手順がマニュアル化されていることも多いと思います。その中で具体的な数値目標を立てると言うのは難しいと感じてしまいます。
そこで、事務職が目標を立てるにはどうすればよいか、私の経験を交えてお伝えしたいと思います。
自分の業務レベルを上げる
目標の設定で一番考えやすいのが、自分のレベルを上げることです。
自分が出来ていない業務を出来るようにする。その結果、自分の業務の幅を広げ、社内の業務が円滑に進むようにする事が目的となります。
目標の立て方は、まずは日々の業務を振り返ります。その後、自分が出来る事と出来ていない事を整理します。
次に、出来ていない業務の中で、どれを出来るようにするか明確にします。
それをリスト化する事で、出来るようにする業務の件数が数値として出ます。
また、社内・部署内でまだ取り入れていない新しい業務に取り組む事も、自分のレベルを上げる目標として挙げられます。
まだ取り入れていない(0)→取り入れる(1)という数値化した見方も出来ます。
どの状態まで取り入れるかを明確化することで、より具体的な目標になるでしょう。
自部署のレベルを上げる
事務職とは言っても、1人で仕事をしているわけではありません。小さい会社であれば一人の場合もあるかもしれませんが、ある程度の規模の会社であれば複数人で構成されていると思います。
複数人が所属する部署なので、「部署全体」での業務効率を上げる目標も業務改善に繋がります。
では、どのような目標を立てればよいでしょうか?
業務のマニュアル化
まずは、自分ができる業務のマニュアル化をする事が挙げられます。
マニュアルがあれば、自分が作業をするときに見返すことが出来ますし、自分以外の方でも同じ業務が出来るようになります。
マニュアル化出来ていない業務から進めていきましょう。
これについては、マニュアル化出来ていない業務の件数を上げることで、「○件のマニュアル作成を行」うという形で数値化することが出来ます。
また、マニュアルは時間が経過するにつれて情報が古くなってしまうことが多々あります。
その場合は、最新情報に合わせて更新することも視野に入れていきましょう。
なお、マニュアル化する時は手順のみ書きがちです。
手順も大切ですが、その作業をする「目的」の記載を入れることも大切です。
目的があれば、その目的を達成する手段はいくつか検討出来ます。
現在のマニュアルが、現在の最善のものだったとしても、将来的により良い方法が見つかるかもしれません。その時に「変えて良い」手順なのかを判断する際にも「目的」が明確になっている必要があります。
マニュアル化する場合は、「目的」も入れるようにしましょう。
チェックシート化
業務を進めていく上で、作業ミスが発生する事があると思います。
私は人間が行うことなので作業ミスは発生しても仕方がないと思っています。
しかし、作業ミスが発生するのは仕方が無い事ですが、作業ミスを発生させない努力はする必要があると思っています。
その作業ミスを発生させない努力の一つが「チェックシート」の作成です。
同じマニュアルを見ながら同じ作業を行っても、人によってミスが発生してしまうことがあると思います。
マニュアルの読み飛ばしによる抜けや、認識違い、打ち込み間違い等原因は様々です。
それらを防ぐために活用できるのがチェックシートです。
チェックシートには2種類あります。
1.実行手順のチェックシート
2.最終確認のチェックシート
実行手順のチェックシートは、マニュアルの項目ごとに実行したらチェックするものです。作業の抜け防止に活用出来ます。
最終確認のチェックシートは、提出前に間違いが無いか確認するチェックシートです。打ち込み間違い等の場合は、こちらのチェックシートを元に気をつけるポイントに気付けるようにします。
こちらのチェックシートも、○件作成といった具合に数値化する事が出来ます。
情報共有の仕組み化
情報共有は、マニュアルやチェックシートも含まれますが、それ以外の情報も共有出来るようにしましょう。
私の職場の以前の状況は、自分の部署に5人配属されており、それぞれが担当業務を抱えている状態でした。
情報共有はされていない状況で、他の人が何をやっているのかわからない状態。更に、他部署とどんな関わりになっているのかも分からない状態が続いてました。
そうなると、担当者がいないと分からない。他部署から担当者への質問で、初めてそんな動きがあることを知ることも多々ありました。
引き継ぎも十分行われておらず、自分が休んだ時に来た社内のお知らせなどは知る術がない状態が続いていました。
このような状態では、部署内もバラバラな動きになってしまいます。
また、他部署との関わりも「個人と他部署」の関係になってしまいます。それでは十分な業務が達成できません。それに、他部署からも不信感を受けてしまうことに繋がります。
情報共有がされていない場合はこのような弊害が起きてしまいます。
このような状態を改善するために私が取り組んだのが、以下のような内容でした。
・日々のミーティングを開催
・引き継ぎシートの作成
・業務ごとの受付表、進捗表の作成
まず、朝・夕にミーティングを開催しました。朝は今日の予定。夕は予定の結果と課題等を話し合うようにしました。これで業務の共有化が出来るようになりました。
また、「引き継ぎシート」も作成しました。部署内全員で知っておく必要がある内容や、申し送り内容等を記載しました。自分が休んだ後も、このシートを見ることで知っておかなければならない情報を知ることが出来ました。
業務ごとの受付表については、どんな業務を受け付けているのか、その進捗状況が分かるようになりました。進捗が遅れているものや、残件となっているものも確認しやすくなりました。また、この受付表を他部署にも共有して見れるようにしたことで、他部署からも進捗状況を確認出来るようになりました。
情報共有に取り組んだことで、次のようなメリットも生まれました。
・個々の業務に集中していたので会話も少なかったが、部署内のコミュニケーションが活発化した。
・他の人の業務を知ることで、協力体制が取れるようになった。
・自部署の業務内容が把握できるようになり、他部署とのコミュニケーションも円滑になった。
この取組を数値化する場合は、以下のような指標が取れるのではないかと思います。
・仕組みを作った(仕組みがない”0”→しくみがある”1”へ)
・仕組みを安定して運用できるように働きかける(○日間達成)
なお、情報共有については部署内でみんなが納得する形で進めないと仕組みが自然消滅してしまうことも考えられますので注意しましょう。
他部署との連携を強化する
事務職の仕事と言っても、事務所だけで完結する訳ではありません。
他部署との関わり、関係性も大切になってきます。
では、目標にどのように取り組めば良いでしょうか?
部署間でミーティングを開催するという事も挙げられますが、スケジュール調整などが難しい事や、ミーティングを開催する目的を明確にする必要もあるため、目標としては上げづらいと思います。
個人的に行ってきたことでオススメしたい方法は「他部署に出向いて御用聞きをする」という事です。
世間話を含めて話しながら、業務の内容や困っていること等の情報を収集する。
それらの内容に事務職の立場からアプローチ出来ないか考えることも出来ます。
また、コミュニケーションを増やすことで、事務職側からの要望も伝えやすくなります。
事務職と他部署の良好な関係性を築くためにも、コミュニケーションを増やすことは有効です。
具体的な目標にする場合、「週○回他部署に出向く」や「○○部署との連携を強化し、潜在している問題を見つけ、業務改善に取り組む」等が挙げられます。
他部署との関係性という数値化出来ない部分も大きい所はありますが、取り組むことで社内の連携が良好になるという大きいメリットを得られる項目です。
まとめ
事務職の目標管理について、数値化するにはどうするか?と言うことについてお伝えしてきました。
目標設定の視点は3つ。
・自分の目標
・所属する部署の改善
・他部署との連携強化
この3つの視点で、具体例を交えながらお伝えしてきました。
事務職は「縁の下の力持ち」と例えられるように、他部署のバックアップが出来る必要があると感じています。
しっかり支えられるような体制づくりをするきっかけにもなりますので、目標管理を上手に活用していきましょう。