高校の卒業式では、在校生から選ばれた代表が送辞を読む役割を担います。
代表に選ばれるのは名誉なことですが、送辞の作り方に迷うこともあるでしょう。
本記事では、高校生や中学生が参考にできる送辞の書き方、具体的な例文、季節の挨拶についてご紹介します。
卒業式の送辞作成のポイント
送辞を書く際には、以下の3つのポイントが重要です。
(1) 簡潔さを心がける
卒業式では卒業生が主役であるため、在校生代表はサポートの役割が求められます。過度に飾ることなく、シンプルで短めの文章が好ましいです。目安は1分半から2分程度です。
(2) 共感を呼ぶ内容を選ぶ
送辞では特定の個人やグループではなく、全卒業生が共感できる話題や思い出を取り上げることが大切です。たとえば、全員が関わる成果を讃えるのは良いアイデアですが、特定の部活動の詳細に言及するのは避けましょう。個人的な意見も、短く全体が共感できる内容に留めることが望まれます。
(3) 平凡な内容でも構わない
作成した送辞が平凡だと感じても問題ありません。卒業生の答辞が続くため、送辞は引き立て役としての役割を果たすことが大切です。
送辞の基本構成と文章チェックのポイント
【送辞の基本的な構成】
【時候の挨拶】
通常、時候の挨拶は割愛されることが多いですが、在校生代表が一人の場合は、この部分を加えることで聴衆の関心を引きつけることができます。柔らかな言葉選びが効果的です。
【卒業生への祝福】
「皆さんの卒業を心から祝福します。」
【メインメッセージ】
次のような一般的な書き出しを用いると良いでしょう。
「2年前、私たちは…」
「入学式の日、感じた不安を振り返ると…」
また、卒業生にとって思い出に残るエピソード（体育祭や文化祭など）を取り上げ、そこでの協力や支援のエピソードを話すと効果的です。
【その他のメッセージ】
卒業への感謝や送別の言葉。
「高校時代の経験が、これからの道しるべとなるでしょう。」
「先輩方は常に私たちの目標です。これからも輝き続けてください。」
最後に「私たちも頑張ります。」
【日付と氏名】
「○年○月○日 在校生代表 山田太郎」
文章のチェックポイント
文章を書き終えた後に以下の点を確認しましょう。
- 誤字脱字がないか
- 同じ言葉の繰り返しを避ける（例:「本当に」、「確かに」など）
- 接続詞の過度な使用を避ける（「そのために」「しかし」「えーと」など）
次に、具体的な例文を紹介します。
高校卒業式の送辞【参考例文】
送辞
春風に誘われるようにさえずる小鳥たちと、心地よい暖かさを運ぶ日差し。校庭にほころび始めた桜のつぼみが、皆さんの新しい門出を祝福しているかのようです。
3年間の歩みを終え、この卒業という大切な節目に立たれた皆さんに、心からのお祝いの言葉を贈ります。私たち在校生は、皆さんの新たなスタートを暖かいまなざしで見守っております。
先輩方は、私たちの憧れであり、指針でした。特に昨年の体育祭では、先輩方の熱意と努力から多大な刺激を受けました。
自分たちの手で作り上げた応援旗の美しさ、ダンスの練習や応援で見せる学校一丸となる姿は、私たちに大きな感動を与えました。共に努力することで、どんなことも達成できると教えていただきました。
○○高校で過ごした2年間、先輩方と共有した多くの時間は、私たちにとって何物にも代えがたい宝物です。これからも先輩方を誇りに思い続けます。
今、新たな希望を抱き旅立たれる皆さんへ、○○高校で身につけた知識と経験が、その将来を照らす光となることを願っています。
在校生として、私たちも先輩方が築いてこられた学校の伝統を大切に受け継ぎ、次世代へと橋渡しする存在となるよう精進いたします。先輩方がいつか○○高校に帰ってこられる日を楽しみにしております。再会を心からお待ちしております。
最終的に、卒業生の皆さんの未来への一歩一歩が、確かなものでありますように。そして、健やかな日々が続きますようにと願いを込めて、この送辞を終わりたいと思います。
○年○月○日 在校生代表 山田花子
卒業式送辞：時候の挨拶選びと例文
時候の挨拶の選び方
卒業式の時候の挨拶を選ぶ際は、日本の地域による気候の差異を考慮することが大切です。晴天を予想していても、実際には雨が降る可能性があるため、また桜の開花時期が早まることもあります。これらの天候の変動に対応できるよう、複数の挨拶文案を用意しておくと安心です。以下に、時候の挨拶や天候に関する様々な例文を紹介します。これらは、その日の天候や地域の気候に合わせて選んでください。
【例文集】
冬の終わりを告げ、新たな生命が目覚める季節になりました。
春が近づき、日に日に暖かさが増しています。
桜前線が徐々に北上し、春の足音が聞こえてきました。
校庭の桜の蕾もふくらみ始め、春の訪れを感じさせます。
冬の冷たさが和らぎ、心地よい春風が吹き始めました。
青空と温かな日差しに恵まれ、春の温もりが感じられるようになりました。
小鳥のさえずりと共に、春の光が校庭を照らしています。
春風が優しく吹き、雨の中でも卒業生の笑顔が輝いています。
今日は晴れ渡り、卒業式にぴったりの素晴らしい天気です。
昨日の雨がうそのように晴れ上がり、快晴の中での卒業式となりました。
まとめ
在校生代表として送辞を読む際は、自分が主役ではなく、卒業生をサポートする役割であることを意識することが大事です。卒業生の功績を称え、彼らが聞いて心温まる内容を心がけるようにしましょう。