ハロウィンが終わると、すぐにクリスマスの雰囲気が街中に広がります。ショッピングモールではデコレーションがクリスマス仕様に変わり、クリスマスソングが流れ、街全体が祝祭の装いを纏います。
多くの家庭では、この時期に合わせてクリスマスツリーを飾り始めますが、具体的にいつ飾るべきか、そしていつ片付けるべきかについては意見が分かれます。
この記事では、クリスマスツリーを設置する適切な時期と撤去時期、そしてツリーオーナメントが持つ象徴的な意味について解説します。
クリスマスの意義と起源
クリスマスはキリスト教の重要な祝祭日で、イエス・キリストの誕生を祝う日です。一般に12月25日がクリスマスとされていますが、これがイエスの実際の誕生日であるわけではありません。この日は象徴的な意味で選ばれ、イエスの具体的な生年月日は定かではありません。
クリスマスツリーの起源とその象徴性
クリスマスツリーに使われる針葉樹は、寒さ厳しい冬でも緑の葉を保ち続けることから、「永遠の生命」を象徴しています。これはイエス・キリストが説く「永遠の命」や「無限の愛」を表しています。
クリスマスツリーの習慣は、古代ゲルマン民族の伝統に起源を持ちます。彼らは冬至の際に樫の木を飾り、長い冬を乗り越える力を祈願しました。樫の木はその常緑性から永遠の生命を象徴し、古代の人々に希望を与えていたとされます。
また、中世のドイツでは家にもみの木を持ち込み、それに食べ物や花を飾る習慣がありました。これらの木は家庭に幸福と豊穣をもたらす精霊が宿ると信じられており、この慣習が後にキリスト教の祝祭と結びついて、今日見るようなクリスマスツリーの形に発展しました。
クリスマスツリーの飾りとその象徴的な意味
クリスマスツリーの飾り一つ一つには、深い意味が込められています。
星の意味
クリスマスツリーの頂点に輝く星、一般的に「トップスター」と呼ばれるこの飾りは、キリスト教の伝承において重要な役割を果たします。この星は「ベツレヘムの星」として知られており、新約聖書の説話によれば、イエス・キリストの誕生を示す光として東方の空に現れた星です。
この星は、遠方から来た三賢者(東方の博士)が、新生児イエスを訪れるための道しるべとして役立ちました。彼らはこの星をたどり、最終的にイエスが生まれた場所へと導かれました。クリスマスツリーに星を飾る習慣は、この聖なる出来事を記念し、イエスの誕生を祝う象徴として世界中で行われています。
天使のかざり
クリスマスツリーに飾る天使は、イエスの誕生を告げた天使を象徴しており、神の使いとしての役割を果たします。
リンゴとオーナメントボール
これらの飾りは「エデンの園の知恵の樹の実」を表し、新たな始まりや希望を象徴しています。元々のリンゴから派生して、装飾的なオーナメントボールが使用されるようになりました。
キャンディケイン
この杖状のキャンディは、羊飼いの杖を模しており、イエス・キリストが「神の羊飼い」として人々を導く姿を象徴しています。
靴下
クリスマスには、サンタクロースが贈り物を入れるための靴下が飾られます。これは、貧しい家庭の子供たちに隠れて金貨を贈った聖ニコラウスの伝説に由来します。
リース
リースの円形は終わりのない永遠の愛を表し、神の無限の慈悲を象徴しています。
ヒイラギ
その鋭い葉はイエス・キリストが受けた苦痛を、赤い実は彼の流した血を象徴しています。
綿
クリスマスツリーに飾られる白い綿は、冬の雪を表現し、純粋さや清らかさを象徴しています。
電飾
かつてはろうそくで飾られていたツリーですが、現在は電飾が使用されます。これは「世界に光をもたらすイエス・キリスト」を象徴しています。
リボン
リボンは結びつきと結束を表し、人々が互いに愛し合う絆を象徴します。
松ぼっくり
クリスマスツリーに飾られる松ぼっくりは、もみの木の実として代用され、イエス・キリストの保護を象徴するとされています。
2024年のクリスマスツリー設置のタイミング
キリスト教の習慣に従って、クリスマスツリーの設置は待降節の初日から推奨されています。待降節はクリスマス・イブの4週間前の日曜日から始まり、クリスマスの準備期間とされています。2024年では、待降節の開始日は12月7日になります。この時期から多くの家庭でクリスマスツリーの装飾が始まります。
非キリスト教徒の家庭では、11月末から12月初旬にかけてツリーを飾るのが一般的です。家族が一緒に集まってツリーを飾ることは、特に日本で親しまれている風習です。12月7日は、1886年に横浜市で最初にクリスマスツリーが飾られた日であるため、日本ではこの日をクリスマスツリーを飾る特別な日として認識していることがあります。
2024年のクリスマスツリー撤去の適切なタイミング
クリスマスツリーの撤去時期は文化や地域によって異なります。キリスト教の伝統では、クリスマスから12日後の公現祭(1月6日)にツリーを撤去するのが一般的です。この日は、三賢者がイエス・キリストを訪れたことを祝う日とされています。一方、日本では新年の準備のため、多くの家庭が12月26日にクリスマスツリーを早めに片付けます。欧米では新年を含むクリスマス期間全体を楽しむため、新年が過ぎてからツリーを楽しむこともありますが、日本では新年の飾り付けに合わせて早めの撤去が一般的です。
2025年の1月6日は公現祭に当たりますので、この日を目安にツリーの撤去を計画することをお勧めします。ただし、ツリーを出す日や撤去する日に厳格なルールはありませんので、それぞれの家庭や個人の状況に合わせて自由に決めることができます。
まとめ
クリスマスツリーの設置と撤去のタイミングは、地域や文化によって異なりますが、キリスト教の習慣では待降節の初日から設置が始まります。
特に日本では、12月7日がクリスマスツリーを飾る特別な日として認識されている場合があります。また、ツリーの撤去は公現祭の1月6日が一般的ですが、新年の準備のため12月26日に撤去する家庭も多いです。
ツリーの飾りにはそれぞれ象徴的な意味があり、家族の絆を深める大切な時期となっています。