返信を行う際、封筒に「行」と印刷された言葉がある場合、これをキャンセルラインで抹消し、「様」や「御中」という敬称に書き変えることが求められることが一般的です。
・どのように「行」の文字を消去するべきか、線を引く方向は？
・縦書きと横書きで削除線を引く場合、その方法に違いはあるのでしょうか？
・「様」と「御中」のどちらを使うべきでしょうか？
・差出人名の記入や、封をする際のしるしは不可欠なものなのでしょうか？
この記事では、返信用封筒の正しい使い方について概説しています。縦書きと横書きでの訂正線の引き方から封じ方に至るまで、具体的に説明していきます。
訂正線を引く際の注意点
プリントされた「行」は二重線で訂正する必要があります。訂正や削除の際のアプローチは複数考えられます。
（1）縦書きでは縦に、横書きでは横に線を引く
（2）縦でも横でも、常に横方向に線を引く
（3）一文字の場合は斜線を、二文字以上なら縦書きには縦、横書きには横の線を引く
どの方法を選ぶにしても絶対的なルールは存在しません。よくあるのは、文字の流れに沿った削除方法（1）ですが、前職では（3）のやり方も見られました。一文字だけの訂正の場合、特に縦書きの文面では斜めの訂正線が一般的です。 複数文字の削除では、縦書きの文面では縦方向、横書きの場合は横方向にキャンセルラインを引きます。とりわけ公式な文書の場合は、定規を使ってきれいな線を引くよう心がけましょう。返信用封筒でも、可能な限り整った形で訂正することが好ましいです。
敬称の選択と差出人情報の記入法
封筒を書く時には、縦書きと横書きそれぞれの書き方を意識しましょう。読み方が異なりますので、敬称の使い分けが大切です。
・企業宛には：「○○株式会社 御中」
・部署を明記して：「○○株式会社 ××部 御中」
・個人宛てなら：「○○株式会社 〇〇様」
特定の担当者が不明な時：「○○株式会社 ××部 関係者様」 敬称は一か所のみ記すのが通例ですので、個人名がある場合は会社名の後の「御中」を省略します。
封筒裏面の差出人情報について
標準的には、返信用封筒の裏面に差出人情報を記載します。
・縦書きでは左下、横書きでは右下に情報を記し、
・ビジネスでは所属企業や部署、担当者名をはっきりと。
・個人使用時は住所と氏名で十分です。ただし、返信相手や状況によっては省略しても大丈夫です。
宛先が明確な返信用封筒で誤記の心配が少ない場合でも、配送トラブルがあった際に返送されることを考慮すると、差出人情報は記載するのが妥当とされます。ただし、非公式の場面では、相手方や状況を考慮して差出人の記入を省略する選択も可能です。親しい人への返信や緊急性が求められる場合には差出人を記しておくと良いでしょう。
企業名入りの返信封筒と「封」印について
企業名が事前に印刷された返信封筒はよくあります。表面に触れる必要はなく、裏面に住所や名前などの必要情報を補填します。意図せざる情報が書かれていると混乱を生じますが、既に印刷されている情報を消す行為は避けるべきです。 さらに、封された文書に「封」印を加えることで、宛名の人以外の開封を防ぎ、個人宛の秘密の手紙として扱われるようになります。個人宛の文書には「封」印を検討し、公式のオフィス文書では避けるのが普通です。特に、役職の高い個人に送る場合、秘書や部署のアシスタントが開封することも珍しくないため、この点には注意が必要です。
まとめ
封筒を扱う際、横線を引いたり、敬称をどう記すかで迷うことがあるかもしれません。しかし、固定のルールはなく、慣例に基づいたマナーで対応がなされています。絶対の正解が無いからといって自由にするのではなく、受け取る相手にとって明確で無礼のないよう配慮することが大切です。