目の前で事故が起こったら、そのまま通り過ぎても大丈夫でしょうか?
法律上の直接的な責任はありませんが、何もせずに去るのではなく、少しの行動が大きな違いをもたらすかもしれません。
「事故の対処法がわからない」「不安だ」と感じる方も少なくないはずです。
この記事では、突然の事故現場に遭遇したときに知っておくべき対応策や、慎重に行うべき行動を詳しく解説します!
事故現場での適切な対応:3つの行動指針
事故現場に偶然居合わせた場合、基本的に行うべき三つの対応があります。
必要な行動は次の通りです:
– 被害者の安全の確認
– 警察や救急車への通報
– 現場の写真撮影
もし全ての対応が難しい場合でも、できることから始めましょう。他の目撃者がいるなら、彼らと協力することで、より効果的に対処できます。
各行動について具体的に説明します。
被害者の安全の確認
事故現場へ近づく前に、まず自分の周囲の安全を確認してください。
安全が確認できたら、迅速に負傷者の元へ向かい、声をかけて意識の有無を確かめます。
「大丈夫ですか?」
と声を大にして問いかけ、反応を見ましょう。
反応があれば意識があると判断し、反応がなければ意識がないとみなします。
警察や救急車への通報
事故当事者が意識があり、動ける状態であれば、本人に通報を任せることができます。
しかし、もし当事者が動揺しており通報が難しそうな場合は、自分から110番で警察、ケガがある場合は119番で救急車を呼びましょう。
目撃者が多数いる場合は、重複した通報を避けるために、
「警察(救急車)を呼んでいます」
と大きな声で周囲に知らせることが効果的です。
現場の写真撮影
事故現場の写真を撮る行為は、警察の調査に役立つため不謹慎ではありません。
特に加害者が逃走した場合は、ナンバープレートなどが重要な証拠となることがあります。
これらの写真は、後の損害賠償請求においても証拠として活用されるため、積極的に撮影しましょう。
また、ドライブレコーダーが搭載されている車であれば、その映像も警察への提出が求められることがあります。
事故現場を目撃し、素通りした場合の影響
事故に関する報告義務は基本的に事故当事者にあります。
そのため、偶然事故現場に居合わせたあなたに自動的にその義務が移ることはありません。
たとえ事故当事者が自分で報告することができない状態であっても、あなたが通報しなかったからといって法的な罰則が課されるわけではありません。
しかし、事故の影響が重大であった場合、その後のニュースを見て後悔することもあるかもしれません。
そのため、可能であれば通報を検討することが推奨されます。
匿名での通報も可能ですし、事故現場に「情報提供者募集」の看板が立っている場合は、後からでも警察への協力を考えることができます。
事故現場での追加的な対応
通常の対応以外にも、事故現場で行える有用な行動がいくつかあります。
これらは必須ではありませんが、状況に応じて行うことが望ましいです。
追加的な対応としては、以下のような行動が考えられます:
– 負傷者への応急処置
– 到着した警察への協力
– 後続車への警告のため三角板を設置する、発煙筒を使用する
– 散乱物の記録と安全な場所への移動
応急処置を行う際は適切な知識が必要です。不慣れな場合は、救急車を呼ぶ際にオペレーターからの指示を仰ぐのが良いでしょう。事故の状況を警察に正確に伝えるために、散乱物は撮影後に移動させると有効です。
また、救命技能の習得については、地元の消防署で講習を受けることができ、多くの場所で無料で提供されています。事前にこれらの知識を身につけておくと、緊急時に役立つでしょう。
事故現場で避けるべき行動2点
積極的に対応することが推奨されていますが、事故現場で絶対に避けるべき行動もあります。特に以下の2つの行動に注意しましょう。
避けるべき行動
・事故現場の写真を無断で公開すること
・警察に虚偽の報告をすること
事故現場の写真を無断で公開すること
事故現場で撮影した写真や動画を、関係者の許可なくSNSに公開するのは避けましょう。
これにより肖像権の侵害や名誉毀損に問われる可能性があります。また、顔やナンバープレートを隠してもトラブルの原因となることがあります。
撮影したものは、警察や事故関係者との協力にのみ使用し、私的な公開は控えることが求められます。
SNSが普及している今、情報共有は簡単ですが、慎重に行動することが重要です。
警察に虚偽の報告をすること
警察への虚偽の報告は、犯人隠避罪や偽証罪に問われる可能性があり、これにより懲役や罰金の刑に処されることもあります。
分からないことや答えられないことがある場合、正直に伝えることが肝心です。
推測や虚偽の情報に基づいて対応するのは避けましょう。
まとめ
事故に遭遇した際の基本的な対応は、「当事者の安全確認」「警察・救急車の呼び出し」「事故現場の記録」の3つです。
目撃者が事故を無視しても法的な罰則はありませんが、無断で事故現場の写真をSNSに投稿したり、警察に虚偽の情報を提供する行為は避けるべきです。
事故は突然に起こるもので、適切な対応が求められます。今回の情報が皆さんの役に立つことを願っています。